U9.145HMD施錠不良の分解修理

「外から鍵が回りづらい。中からも鍵を掛けられない」

対象物品はU9.145AHMDであった。シリンダーが回りづらい事と、サムターンを回すとラッチボルトも動いてしまう事象であった。

この現象は、何らかの不良により、サムータンを回すと、外側のノブも一緒に回ってしまうことが原因だ。だが、その理由は多岐にわたる。

シリンダーへのスプレー洗浄で改善する場合もあることにより、短時間で改善できるかと思っていたが、結局一時間程度の格闘となった。

分解と組立を繰り返すこと、錠ケースは一回。シリンダー側ノブは4回も繰り返すことになった。

錠ケースに至っては、スプリングが飛び出ないように注意してが飛び出てしまった。部品の破損がないことを確認したが、手順を思い出しながら組立するのに手間取った。

シリンダー側ノブの分解しても、破損は見られない。組立して動作を確認するが、何回かに一回は現象が再現してしまう。本来なら新品交換となるが、賃貸アパートのため、交換はすぐには承認されない。修理するしかない。

結局、再度確認しながら行うと、二個のバネに挟まれる部品に変形が見られることを確認した。スリーブリング部品と内部部品の嵌合の問題だった。なぜ変形したのか、人為的な分解組立がなされないと変形しない場所である。

とにかく、この部品の嵌合を調整して、スムースに動くことを確認して作業は完了した。

正常な動きとしては、鍵を挿さない状態の時、スピンドルシャフトは360度フリーに回る。鍵を挿すと、部品のスイッチング構造により、その動きは90度に制限されて、しっかりとスピンドルシャフトを回す。だが、バネ周り部品の嵌合状態が不適切な状態にあると、このスイッチングが正常な動きにならない。このことは、いつも新品交換だけしていると分からない事象である。わたしも特に気にはしていなかった。反省である。